OVERMAN FORUM

「はい、少ないですが…銀や銅貨のほうが多くて申し訳ないのですが…」「いえいえ商売で成功するより儲けさせていただきました、ありがとうございます」
「さて…お礼を受け取った後でこういうのも何ですが…従者の方まで気絶させてしまい、申し訳ない」「あのような方法で巻き込まれてしまっては、どちらも疑いたくなるコウタ様のお気持ちお察しください」
　慌てて首を振り、やっぱり返してくれといわれないように渡されたソレをとりあえずアイリに預ける。
　しかしずいぶんと底の深そうな鞄だな……それに中身もずいぶん満載みたいだ。　その割には、モノを探っている時の音みたいなのがしないのが不思議だけど、一体どうなっているのだろう？
「そんな…お気になさらずに…彼、ジェイルも凄く強引でしたし……あの！もしコウタさん達さえよろしければ、ジェイルが目を覚ますまで、この場に留まっていただく訳にはいきませんか？」　来た、きてしまった。　そりゃそうだろうな、お供と襲撃者を一瞬で無力化してしまうような相手が傍にいるなら、誰だってそう頼む、俺だって頼みこむ。　ちらりとアイリのほうを盗み見ると、俺が手渡した金や装飾品を文字通り財宝のように扱いながら頷いた。　その意味は恐らく全て俺にお任せします…というより俺に従う、だろうなきっと。　しばしの間、沈黙と思案の時間が流れていく。　この世界の住人との遭遇、これは素直にありがたい、だが同時に長く居続けるとボロがでてしまわないか。　ボロが出た時どうするか…商人と名乗ってしまった俺達が、彼女にあれこれと質問しても大丈夫か。http://www.chloe.kpi-tukey.com　俺の疑問に応えてくれる人はおらず、その内に姫が鞄から手を引き抜いた時には、その掌に一杯の硬貨が握られていた。マリメッコ ワンピース　ソレを見て俺は思わず目が眩みかける。　太陽の光を受けキラりと輝いたそれは紛れもない。「金貨ですか……」
「そうでしたか…では、少ないですがコチラをどうぞ」　シャンミール姫は再び鞄に手を入れると、ごそりごそりと鞄の中を探し回る。
　彼女は静かに頷くとソレを自らの膝の上におくと、大事そうに抱えた。　よし、これでとりあえず例えここに居る連中全員が襲い掛かってきてもバングルは奪われないぞ。
　アイリが言っていた商人という設定を思い出し、とりあえず頭を深く下げて硬貨を全て受け取る。　コチラもまた、日本円にすると幾らになるのか想像もつかないという何ともいえない重み、からアイリに手渡した。
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