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ヒスイは背筋を震わせる http://overmanforum.com/viewtopic.php?f=9&t=1389970 |
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Author: | ft3s0trnwfnd [ Sat Aug 09, 2014 3:25 am ] |
Post subject: | ヒスイは背筋を震わせる |
58.后来院(1) ロイとセフに続き、ヒスイとエバも先を急ぐ。ヒスイたちの肌を、熱気がなぞった。通りを何度も曲がり終え、ようやく后来院の前まで辿り着く。 「大丈夫か? 無事か!」 通路には数名、兵士達が待機していた。無事そうな者もいれば、手負いの者もいた。しかし彼らは全員、ロイを見るやいなや駆け寄ってくる。ロイは兵士達の界隈(かいわい)でも、結構な有名人のようだ。 「この先に広間があるのよ」 ヒスイの隣で、透明マントを被っているエバが囁いた。なるほどエバの言うとおり、通路の先には巨大な堂がある。長いすが即席のベット代わりとなり、負傷した兵士達が寝ていた。みな襲撃に不安げな様子だったが、やはりロイを見かけると安堵の表情を浮かべた。「ロイ、お前無事だったのか!」 若い兵士が一人、ロイのもとへ駆け寄ってきた。彼は頭を打ち付けたらしい。手に巻きつけた包帯で、傷口を押さえていた。「当たり前だろ。こんなところで狗斃(くた)ばってたまるか」「あのう……」「ん?」 完全に機を逸しかけていたセフが、おずおずと二人の会話に入り込んだ。若い兵士が、不思議そうにセフを見やった。「この子はどうした、生存者か?」「いや、それがな……」「おい!」 ロイが話を始めようとすると、すさまじい声が講堂に響き渡った。ヒスイは背筋を震わせる。見れば、兵士達のうちでも年長の人物がロイへ歩み寄ってきていた。あの緑の帯を締めた、壮年の男性だ。http://www.furla.8008303300.com「急ぐんだ! このままここにいたら翩の餌食だぞ!」「ああ、分かってるよ。了解了解(リャオジエリャオジエ)」hermes バッグ 肩をすくめ、ロイは応答する。状況の切迫した様子に比べ、ロイのこの呑気(のんき)さは何なのだろうか。ロイとセフの二人は、指示に従って階段を下る。足音をひそめつつ、ヒスイとエバもその後ろに続いた。 「俺は全然平気だ」 ロイの周りでしつこく、兵士たちは安否を確認してくる。適度にそれをいなしながら、ロイは通路を進んでゆく。 細長く、薄暗い階段を下った先に、小さな扉があった。ロイを含め、四人がその中に入る。「うぃーっす」「ロイ!」 「おい、開けてくれー」 ロイが大声で呼びかけ、閉ざされた門を叩いた。セフは所在無く周囲と、空を見渡している。空を飛び交う、翩(ヘン)の群れが気になるようだった。 「雷(ロイ)? ロイか?! ダメだ! こっちから入るとまずい。脇に階段があるだろ? そこから通れ」 声は切迫していた。 「頼むぜー。こっちは二人とも丸腰なんだ」「だから私は――」 セフが食ってかかる前に、鉄扉の向こう側から兵士の声がした。 相关的主题文章: |
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